太極拳概論

太 極

 太極は、万物が陰陽に分かれる前の状態をいい、「易学」によれば、宇宙の本源は、目に見えない大きな力を有する渾然たる世界(太極)があり、この太極が動いて陽を生じ、また静まって陰を生じた。陽の気は集まって天となり、陰の気が集まって地となり、両気の配合によって万物が生じたという。
太極拳では、これを
其大無外
其小無内
 と表わし、これは、太極の外で働く大きいものはなく、また、太極より小さい物もない程、極微の世界にも太極はあると言う意義です。

太極拳

 太極拳は、清の時代に著名な拳師であった河南の陳王廷によって創始された。最初は門外不出の拳法であったが、十四世の陳長興の時代に、楊露禅が、毎夜陳一族の練習をのぞき見をし、一人で密かに工夫していたところ、それを知った長興にその熱意を認められ授けられたところから、今日のいろいろな流派が生まれるところとなった。代表的な物に、楊式、呉式、武式、孫式等がある。
 現在日本で行われているところの、簡化太極拳は中国が世界に広めるために簡単に出来るように編纂し直した物である。

 前項
 混元二十四式太極拳 樊式対称太極拳 梁振蒲八卦掌