東洋医学雑記

ここでは、簡単な東洋医学の知識や、皆さんからいただいた意見などを、独自に編集し(出稿者の了解のもと)、載せていきたいと思います。

氣(き)

東洋医学では、氣というものの存在を前提に色々な事を表現しています。大まかに言って氣は、人間の生命エネルギーを現します。諸説ありますが、それは、あるときは血液の流れをさしたり、リンパ液の流れをさしたり、神経の走行や働くエネルギーをさしたりします。しかし、その実態は、通常の肉眼では見えず、経験や訓練を通して感覚的に知る事ができます。経験上に知り得るだけなので、表現に個人差も多く、抽象的になりがちです。
 近年、特に、22〜23才以下の人に、訓練することなく肉眼で見えるという人も頻繁にあらわれており、その表現の個人差も少ないところから、これから今までに無い方向での解明が待たれます。


陰陽虚実

氣には、代表的に4つの「陰・陽・虚・実」という、状態があります。
陰/陽は、エネルギーの性質で、−(マイナス)・+(プラス)を現します。
陰は、月・影・寒・静止 等を現し、陽は、太陽・光・熱・動き 等を現します。
虚/実は、エネルギーの有無を現します。虚は、エネルギーが無い状態で、実は、エネルギーの満ちた状態で す。
例えば、コップに水が入っている状態は、陰(コップの水は動かない)の実(水が存在する)
川に水が流れていれば、陽(川の水が動いている)の実(水が存在する)となります。


五臓六腑

五臓とは、実質性臓器、すなわち中身が空洞でない、「腎臓・心臓・肝臓・脾臓・肺臓」
六腑とは、中空性臓器、「胆嚢・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」を言います。
ここで、三焦は、実際にある臓器ではなく、東洋医学独特の概念的なものです。


望聞問切

「望聞問切」とは、東洋医学独特の診察法で、望診・聞診・問診・切診の四つを言い、四診法とも言います。
望診は、まず患者の状態の全体像をつかむための見方を言います。広く見ることを現すため、望遠鏡の「望」という字を使います。東洋医学では、最も大切な診断法で、8割方の診断をこれで行います。(諸説アリ)
聞診は、触れずに行うもので、声色・匂い・肌の色等で、よく料理の味を見るときに、味を聞くといいますが、この聞くに相当します。
問診は、望聞診で得た情報を患者に直接尋ねる事を言います。
切診は、直に触れる事により、確認する事を言います。たとえば、脈を取ったり、痛みの出ている部分を触って特定したりします。


外因・内因・不内外因

外因・内因は、病気の原因を現します。
外因は、身体の外部にその原因があるときをいい、例えば、ウィルス性疾患や、気候(梅雨・雪・夏の暑さ)等をさします。
内因は、身体の内部にその原因があるときをいいます。主に精神的なものを言います。 どちらにも属さないようなものを、不内外因といいます。


下虚上実

俗に言う冷えのぼせの事です。
日本人に多く、女性では冷え性、婦人科系疾患の起こる誘因となります。
日本は、高温多湿の風土で、湿邪からくる多くの疾患を持っています。その代表とでも言うものが「冷えのぼせ」です。